2000年〜2035年における主要国と世界全体の市場規模(単位:億円)
- 2024年以降は予測値
2010年〜2035年における世界全体の市場規模(単位:億円)
- 2024年以降は予測値
主要国と世界全体の年間参加者数(単位:万人)
- 2024年以降は予測値
年 | 市場規模 |
---|---|
2010年 | 数千万円台 |
2015年 | 約10億円 |
2018年 | 約50億円 |
2020年 | 約40億円(前年比▲約11%) |
2021年 | 約45億円 |
2022年 | 約50億円 |
2023年 | 約60億円(前年比+20%) |
2023年の市場規模は約60億円と過去最高を記録。コロナ禍からの回復とともに、新たな成長フェーズに入っています。
業界トップ企業。2008年設立。「リアル脱出ゲーム」ブランドで累計参加者1300万人超。全国で常設店や大型施設「東京ミステリーサーカス」を運営。年間売上高はピーク時で約38億円(2019年前後)で、市場全体の過半数を占める。
謎解き宝探しイベントの草分け。地域活性化を目的とした野外宝探しゲームやテーマパークとの提携イベントが強み。
体験型謎解きイベントの企画制作会社。企業や自治体とのタイアップ公演実績も豊富。
"ドラマチック謎解きゲーム"を掲げる制作会社。物語性を重視した公演や常設型ルームを運営。
東京大学の卒業生を中心に2019年に設立した謎解き制作団体。難解な謎解きイベントで知られ、2023年の脱出ゲーム世界大会「ER Champ」では日本代表チーム(Riddler Sukiyaki)が世界優勝を果たしている。
謎解きイベントの制作プロダクション。ユニークなテーマ設定の公演や企業PR向け謎解き企画を手掛ける。
常設店舗や大型ホールイベントで行われる対面型の脱出ゲーム。コロナ前は市場の中心だった。2023年現在は開催数がコロナ前水準に戻りつつある。
コロナ禍で急速に普及。Zoomなどを用いたライブ配信型や、自宅に届く謎解きキットを使ったパッケージ型がある。新しい収益源として定着している。
学園祭や地域の大型フェスでの謎解きイベントなど、ここ数年開催できなかった企画が2023年以降続々と再開。これにより新規参加者の増加が期待される。
クイズ番組的要素やマーダーミステリーとの融合、イマーシブシアターとのコラボ、人気YouTuberやVTuberとのタイアップなど。
AR/VR技術を取り入れた新感覚の脱出ゲーム、VRゴーグル「Oculus Quest」を使った仮想空間と現実世界を組み合わせた謎解き、GPS連動アプリと位置情報を活用した野外謎解きイベントなど。
大手資本の参入(例:森岡毅氏の「イマーシブ・フォート東京」)、有力コンテンツを持つ企業同士の提携や統合、同人謎解き団体や個人クリエイターの台頭など。
日本の脱出ゲーム市場は創成期から約15年余りで成熟期に入りつつありますが、依然として成長ポテンシャルを秘めています。世界的にも最初に市場が形成された国として、そのノウハウや創造性が評価されており、2023年の脱出ゲーム世界大会「ER Champ」では日本代表チームが世界優勝を果たしています。常設店舗型とイベント型の両輪で発展しており、また近年はオンライン型などの新業態も定着しました。今後はリアルとデジタルの融合、他エンタメジャンルとのクロスオーバー、そして大手資本の参入による市場拡大が進むと予想されます。
各国における脱出ゲーム・謎解きイベント市場の特性
2010年代半ばから急成長。2019年頃には売上規模が推定6~7億ドルに達し、全米に2,300以上の施設が存在。
常設型のルーム型脱出ゲームが主流。2019年時点で延べ約2,300万~2,400万人が体験。
Escapology, Breakout Games, All In Adventures, The Escape Game, Escape the Room, 60out, PanIQ Roomなど。
謎解きイベント・脱出ゲーム市場の発展における重要な出来事
日本でSCRAP社が初のリアル脱出ゲームを開催
欧米で初期の脱出ゲーム施設が登場
日本の市場規模は約1,500万円
日本市場が急成長し経済波及効果を含め100億円規模に
中国で若者を中心に爆発的にブームが広がる
中国全土に約10,700の脱出ゲームが存在
ポーランドでの火災事故を受け、各国で安全規制が強化
コロナ禍でオンライン型・リモート型の新業態が登場
世界市場規模約79億ドルに成長
各国で市場回復、施設の再オープンや新規開業が増加
予測:世界市場規模約310億ドル規模に拡大
予測:世界市場規模5兆円(約450億ドル)に達する見込み
脱出ゲーム・謎解きイベントを利用する主な顧客層
若年層から30代前後が中心顧客。日本では20代~30代の男女が主なターゲット。中国でも20代を中心に浸透。米国・欧州でもミレニアル世代が主要層。
男女問わず人気。米国では男性47%・女性53%とほぼ均等。中国では若いカップルや女性同士の参加も多く、異性同士・男女混合グループが約70%。
都市部の娯楽として始まり、徐々に地方へも拡大。米国ではカリフォルニア、フロリダ、テキサス、ニューヨークなど人口密集州に施設が集中。
中〜高所得の若者が多い傾向。価格帯が1人あたり2,000~3,000円(20~30ドル程度)と比較的高め。ゲーム好き・ホラー好きなど体験型娯楽を求める層がコア顧客。
脱出ゲーム・謎解きイベントにおける技術の発展
電子センサーや単純な仕掛け、機械式の謎解き装置
IoTを駆使したギミック、プロジェクションマッピング、モーションセンサー
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の活用、オンライン通信技術を使った遠隔協力型
予測:AIを使った自動ヒントシステム、参加者の脳波・心拍をフィードバックするインタラクティブ技術
謎解きイベント・脱出ゲーム市場の全体像
謎解きイベント・脱出ゲーム市場は、2007年に日本でSCRAP社が初のリアル脱出ゲームを開催して以降、世界的なエンターテインメント現象として急速に拡大してきました。
2022年時点で世界市場規模は約79億ドルに達し、2032年には約310億ドル規模に拡大すると予測されています(年平均成長率約14.8%)。 アジア太平洋地域が最大の市場シェアを占め、特に中国の成長が著しいです。
顧客層は主に20代〜30代の若年層で、男女問わず人気があります。都市部を中心に展開していますが、地方への拡大も進んでいます。 技術面ではVR・ARの活用やIoTを駆使したギミックなど、よりリアルで没入感のある体験の提供が進んでいます。
市場は多数の中小事業者で構成され、極めてフラグメント化された競争環境となっています。 今後は技術革新の加速や新興国での普及拡大により、2035年に向けて高成長が続くと見込まれています。